わりとよく言われる話だが、正常と異常に明確な境界はない。

そもそも正常とは何か。そこに明確な定義はない。同じように異常とは何かというとやはり明確な定義はない。辞書を引くと、異常とは正常ではないことを指す。正常とはふつうのことを指すらしい。何だかもうわからない。意訳すると、一般的な平均から大きく偏差する存在を異常と呼ぶのだろう。かなりあやふやな定義である。さて、異常と定義づけられると、特別な扱いを受けたり、病気と呼ばれたりすることがある。それ自体が悪い訳ではない。むしろ善意に依るものが多いだろう。では正常と定義づけられたものは本当に問題がないのだろうか。正常と異常はなだらかな曲線で連続的に繋がっているはずである。それをある基準値で分断しただけであり、その前後は非常に似通った特性を持っているはずだ。つまり正常に分類された側も異常側の特性を持っていると言える。また、ある領域で正常だとしても、他の領域で異常という場合もあり得る。なら極論すれば、みんな少しずつ異常を抱えていると言ってもよいのではないか。正常だから、異常だから、どう付き合うのか、どう向き合うのか、ではなく、その特性を踏まえてどうしたいのかを考えることを勧める。話はやや飛躍するが、すべての人間と関係を持つことはできない。知り合ったわずかな人間関係の中で、良いところを褒め、悪いところを諫め、時には受け入れ、時には拒絶しながら、なんとか折り合いをつけて行くしかない。全人類の中から自分に都合のよい人間だけを選別して付き合うなんてことは到底できないのだから。ただし、だからといって我慢したりする必要はない。正常や異常という曖昧な基準ではなく、自分の価値観の中で判断していけばよい。何を選んでも正しいし、仮に誤ったと思ったら考え直せばよい。大事なことは他人が決めた基準ではなく自分で考えることだと思う。

Share →